◆干物

かつて干物は、保存食として重宝され、全国各地の港で作られ、海のない土地に海産物を届けるための方法でした。保存性を高めるために、水分が少なくきっちり干し上げられた干物がつくられてきました。

しかし、現代になり冷蔵・保存技術が発達していくとともに、干物のもう一つの側面、熟成された旨味が注目されてきました。
干すことでタンパク質がアミノ酸に分解されて旨味がぐっと増して、また、水分を多く残したまま干すことで、水分のとんだ表面と、水分の含んだ身の食感のコントラストも、干物の美味しさのひとつとなっています。

いまや日本全国の産地から、様々な魚種、様々な加工法で、じっくり干された上乾から、水分を残した一夜干しや若干しなど、産地の旬と特色を食卓に届ける、バラエティ豊かな味わいの幅が楽しめる食材となっております。


◆漬魚

漬魚は、赤魚を酒粕につけた赤魚粕漬、サバの塩麹漬、サワラ、カジキの西京漬などが、よく食べられています。

味噌漬も味噌の種類によって、西京味噌漬、金山寺味噌漬など、様々な工夫と加工方法があります。

◆佃煮

佃煮は家庭料理のひとつとして親しまれています。
魚介類の佃煮の一例を上げると、海苔の佃煮、あさり生姜煮、昆布の佃煮、しいたけわかめ煮、くるみ小女子佃煮などがあります。

佃煮は製産地ごとに、いろいろな味が楽しめます。
産地の加工業者が大きな釜でじっくりと煮て、代々引き継がれてきた伝統の技術と工夫で積み重ねられた味は、家庭の味とはまた違った味わい。

◆魚卵

魚卵は蛋白質や、ビタミン、ミネラルの他、DHAやEPAなどが豊富に含まれています。

日本で加工されて食べられている魚卵は幅広く、たらこ(スケソウダラ)、筋子(鮭の卵巣)、それをほぐしたイクラ、からすみ(ボラ)、 とびこ(飛魚)、数の子(にしん)、くちこ(海鼠)など、様々な魚卵加工品があります。

海外ではキャビア以外はそれほど食べられていませんが、世界で日本食や魚食文化が健康食として認められているこれからは、 海外でも魚卵が広まっていくのかもしれません。


◆珍味

珍味と言っても幅広く、ほとんど魚介加工品は珍味と呼べてしまうかもしれません。

干し海鼠、干し鮑などは、中華料理の高級食材ですが、日本国産、北海道産のものが評価が高く、本場中国の高級料理店からの引き合いが多々あります。

◆しらす

いわしの稚魚であるしらすは、塩水で釜茹でして、乾燥させたものをしらすと呼びます。

水分量により、釜茹でしただけのものを釜揚げしらすと呼び、乾燥度合いによって、しらす、上乾しらす(かちり)と呼びます。 しらすを使った料理としては、しらすをたっぷりと贅沢にのせた、しらす丼はシンプルながら贅沢な味わいがあります。 また、しらすは栄養価がとても高く、グラムあたりのタンパク質は、肉や卵を超えて食品の中でトップとなります。 良質なタンパク質が必要な赤ちゃんから、お年寄りまで、幅広く食べることができ、マクロビオティックや食養の一物全体食※を手軽に実践できる食材でもあります。

※一物全体食

私たちが食物を食べるということは、その食物が持っている生命力をいただくことであり、そのためには、一つの物は全体を食べるべし、という考えです。 魚なら頭から尾っぽまで、芋や人参は皮付きのまま、米は玄米のまま、魚も皮付き芋も玄米も生きているまま、生命がある全体をいただくということです。 日本人は昔から、食材を余すことなく利用してきました。その知恵が生かされた毎日の食事が、自然と食養の実践につながっているのが、 日本食の原点にあるものと考えております。

◆その他

上記以外にも、水産加工品を幅広く取り扱っております。
全国各地の港で採れた魚介類に一手間加えた加工品は、その一手間が、素材の美味しさを引き出し、また、生での調理にはない、新しい味を生み出しています。 それが、素材を知り尽くした日本ならではの豊かな食文化であり、その豊かさをより多くの人へ、多くのみなさまの食卓へ、世代を超えて伝えていくことが、この築地で仲卸を行っている弊社の役割であると考えております。